3−6 Orthocladius グループ
(下唇板の中央歯は1、側歯は6対以上、STは2叉。)
3 Orthocladiinae group へ
Orthocladius、 Cricotopus 、 Paratrichocladius
Orthocladius - Euorthocladius - Euductylocladius
Orthocladius 属にはOrthocladius のほかEudactylocladius亜属、Euorthocladius亜属がある。これらの形態的な大きな相違は下表のようになる。
頭色 | 下唇板 | 上咽頭櫛歯 | 大顎 | 体形 | |
Orthocladius | 黄色〜黄褐色 | 中央歯は第1側歯より大きい。 側歯は6対。亜下唇毛は針状 |
細長い3葉 | 先端1/2〜1/3は黒褐色、他は黄褐色。 先端歯は特に長くない |
普通 |
Eudactylocladius(A) | 濃褐色 | 中央歯は第1側歯より大きい。 側歯は6対。亜下唇毛は針状 |
細長い3葉 | 大顎の大半が黒褐色 先端歯は特に長くない |
普通 |
Eudactylocladius(B) | 濃褐色 | 中央歯と第1側歯の3本は等大 (下図中央)。側歯は6対 亜下唇毛は針状 |
大きな3葉で基部が融合 | 大顎の大半が黒褐色 先端歯は特に長くない |
胸部から腹部前半が特に太い |
Euorthocladius | 淡褐色 | 中央歯は非常に広い。 側歯は7〜10対 亜下唇毛は2〜数裂。 |
細長い3葉 | 大顎の大半が褐色(1/2程が褐色のもの もある) 先端歯は細長い |
普通 |
現在70種余りのOrthocladius属 のサンプルが手元にある。下唇板の中央歯や側歯の形態、触角では触角比、付属枝、Lauterborn器官の大きさ、肛門鰓
の長さや形態など種による差異は多様。生息環境も清冽な水域に生息するものからかなり汚濁の進んだ水域に生息するものなど。
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Orthocladius 、Eudylocladius(A) | Euductylocladius (B) |
Euorthocladius(Orhtocladius) |
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1 触角 ::5節.Lauterborn器官は大きい。 触角比はさまざま 2 下唇板 :Orthocladiusの側歯は6対 Euorthocladiusの側歯は7〜10対 下唇板亜毛の先端が数裂 3 大顎 4 上唇部:STは2叉。上咽頭櫛歯は長 い3葉。前大顎は単純なヘラ型。 5 小顎 6 後頭縁(腹面) 7 前擬脚の鈎爪 8 後擬脚の鈎爪:Euorthocladiusの鈎爪 は褐色で鋭い 9 肛門鰓:形態はさまざま。卵形〜長く、 くびれたものなど。尾剛毛は5〜7本。 |
Orthocladius | Euorthocladius |
種類数が多く、現在手元に50余種のサンプルがある。
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体側の剛毛束 | 大顎背面の縁のしわ | |
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1 触角は5節。第2節先端にLauterborn器官と指 状突起Lb器官は大きくない。付属枝は触角の 先端を超えない。 2 下唇板の中央歯はドーム状で広さは種により さまざま。側歯は6対。副下唇板は細長い。 3 大顎。背面にしわのあるものが多い。内側の 縁に1〜3 本の小鋸歯を有する種がある。 4 上唇部。STは2叉。SUは針状。上咽頭櫛 歯は3葉。 Isocladius(亜属)では3葉が1つに融合し ハート型。 前大顎は単純なヘラ状だが、中には小さく 2裂のものがある。 5 第4〜9節の剛毛束(無い種もある)。 6 小顎 7 前擬脚の鈎爪 8 後擬脚の鈎爪 9 肛門鰓 |
CricotopusはOrthcladiusと形態的に 類似する点が多いが、次の点において 異なり、分類のポイントとなる。 1:大顎の背面の縁にしわがある。 Orthocladoiusにはない。このし わは10数個の細かいものや、数個の大 きなしわなどまちまちで中にはしわのな い種もある。 2:上咽頭櫛歯は多くは独立した3葉である が、これらが融合してハート形の1葉 のものがある(Isocladius) 3:体節の房毛:多くの種では第4〜9節の 後端両側に細い多数の毛の束(剛毛 束)がある。中には非常に長いものや 他の体節に存在する種もある 4:前大顎は多くは単純な大きなヘラ型で あるが、先端がわずかに2裂した種も ある。 |
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形態的にはOrthocladius と変わら ないが下唇板の第1側歯の基部がく びれてバルーン状になっいるのが特 徴。 10数種 やや清冽な水域に生息 国内に広く分布する |